(京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地・法然院) 昭和20年4月1日逝去 享年79歳 『比良のシャクナゲ』の「三池俊太郎」、『雷雨』の「西尾玄一郎」のモデルとされている。『桃李記』にも登場。 井上靖氏の夫人ふみさんの父上。井上潔さんの妹、すがさんの息子。『私の自己形成史』に「義父を見ていて、学者というものはまさにかくあるべきだという思い」に打たれたそうだ。また、『グッドバイ、マイ・ゴッドファーザー』(井上卓也著・文藝春秋)には、「もしかしたら、父が生涯で最も尊敬した人物、それはこの足立文太郎その人ではなかったであろうか。」としている。 『墓地とえび芋』 『星と祭』(南禅寺の近くのH院というお寺) 『花壇』 などの作品にこの岳父の墓所、「法然院」が舞台として登場しています。 『父・井上靖の一期一会』(黒田佳子著・潮出版社)によれば、井上靖さんは、ご夫人のふみさんへの「配慮もあって」当初この法然院にご自分のお墓を購入されました。しかし、その後この寺の関係者の一言に、「ひどく機嫌を悪く」されて、「そのお墓を手離した」ということです。そして、湯ヶ島の熊野山に墓地を決めてしまったそうです。 ご夫人のふみさんが、井上靖さんのお墓[210]をご両親のお墓(岳父)に似せて少し大きめに製作されたのは、そこにいろいろな想いが込められていることと思われます。 (墓石裏面) 足立文太郎 一八六五・六・一五生 一九四五・四・一歿 京都大学名誉教授学士院會員医学博士 初めて軟部人類学を提唱し脈管系筋系等の劃期的研究により日本人解剖学の基礎を確立す (墓石側面) 昭和二十三年八月 足立千古建立 |
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